▶フットパスのルートの一部。何もない草原を歩くのは初めての経験でした。(写真は10月に撮影した時のもの)
Things to Do
根室でしかできないDEEPなこと
海の街根室で。
岬を訪れて出会った景色。
#岬巡り #秋 #根室の魅力
北にオホーツク海、南に太平洋と2つの海に囲まれた街、根室。市内にはいくつかの岬があり、先端まで足を運ぶことができます。岬と聞いて思い浮かべるのは、眼前に広がる大海原と、静かに佇む灯台。普段の生活では中々見られない景色にワクワクするのは、きっと私だけではないはず。せっかく海の街根室を訪れたのだから、岬でいろいろな景色を見てみたい。そんな冒険心を胸に2つの岬を訪れました。
※記事の内容は2023年時点の情報になります
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落石岬で根室らしい広大な景色と出会う
太平洋に細長く突き出した落石(おちいし)岬。岬の付け根の部分が低く細くなって本土に繋がっていることから、高く突き出た岬を頭と首、低く細くなっている付け根を頸部に見立て、アイヌ語の「オクチシ(人の首の付け根のくぼみ)」に由来して名付けられました。
ゲートの前で車を降り、灯台まで片道約30分。軽いトレッキングのスタートです。どうやらここはエゾシカが多く暮らす場所のよう。歩き始めてすぐ、何頭かの群れに出会いました。こちらに気づいても逃げる気配はなく、どこかのんびりとした様子です。
旧無線電信局跡地を左手に通り過ぎると、やがて見えてきたのは木道。草原から一変、両脇にはアカエゾマツの森が広がっています。
この森に生えるアカエゾマツは他の場所に生える同種よりも背が低く、幹の太さも細いものが多い印象を受けます。夏の時期によく発生する海霧の影響でしょうか、靄の中に佇むアカエゾマツの木々が独特の景色を作り出していました。
木道を20分ほど歩くと、森が終わり視界が一気に開けます。広大な草原が広がり、赤と白に塗り分けられた落石岬灯台が迎えてくれました。
近づくにつれ、ゴーっという何やら地響きのような音が聞こえてきます。岬の向こうに広がる海から聞こえてくるよう。下を覗いてみたものの、予想していた以上に高さがあり、思わず足がすくんでしまいました。
駐車場から灯台まで、のんびり歩いて片道およそ30分。往復するのも良いですが、「もう少し落石岬を堪能したい」「まだまだ歩ける」という方はぜひおちいし岬フットパスへ。根室らしい、海の側に広がる広大な景色を味わうことができます。
Information
インフォメーション
おちいし岬パス
(落石岬灯台最寄の駐車場)
根室市落石西244
「ダイナミックな地球」を感じる花咲岬
花咲ガニで有名な花咲港の入り口に位置する灯台、花咲灯台。広々とした駐車場から灯台までは、遊歩道を歩いてわずか数分で到着することができます。
初夏には珍しい、すっきりと晴れた青空の下。遠くに見える陸地は、馬だけが暮らす無人島として知られるユルリ島です。
灯台のすぐ側、海に面するように建つ小さな建物は「野鳥観察舎」。イギリス発祥の野鳥を観察するための小屋で、中には花咲港から見られる海鳥の写真などが貼ってありました。小さなテーブルとベンチが設置されているので、ゆっくりと野鳥を観察することができます。ハイドは根室市内に7か所設置されていて、ここ「花咲港車石ハイド」では、ウミバト、ケイマフリ、コウミスズメなどの海鳥が見られます。運が良ければアザラシやラッコなどの海の動物を見られることも。次回はぜひ双眼鏡を持って訪れようと思います。
花咲灯台は落石岬灯台と同じ赤白模様。元々灯台は白やノッカマップ埼灯台のような白黒が主流。それが石狩灯台を舞台にしたある映画の撮影時にインパクトのある赤白に塗り替えられたことを発端に、赤白の灯台が増えるようになったのだそうです。
灯台から続く階段を下ると見えてくるのは、特徴的な形をした岩「車石」。これは、今からおよそ6000万~1億3000万年前の白亜紀に海底火山の噴火などで地下深くから上昇したマグマが海水中で急冷されてできたもので、枕状溶岩と呼ばれています。一帯には直径1~6mほどの車石が多く見られ、中でも直径6mの放射状に広がる車石は、その形の大きさと美しさが世界的に見ても珍しいことから、国の天然記念物に指定されています。
▶海岸近くまで続く遊歩道。先端に行くと、岩場に打ちつけられた大きな波がすぐそこまでやってきます。
遥か向こうに広がる水平線、人類が誕生する前から存在していた美しい車石、すぐ側で荒々しく打ちあがる波しぶき。花咲岬は、地球のダイナミズムを感じさせてくれる場所でした。
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インフォメーション
花咲岬・車石
根室市花咲港
終わりに:2つの岬を訪れて
音のない静かな海や、荒々しい海。美しい岩壁や、見渡す限りの草原など、さまざまな景色と出会うことができた今回の岬巡り。訪れたのは初夏。色とりどりの花たちが最盛期を迎えていましたが、一方で根室では霧が発生しやすい時期のようでした。季節が進んだ頃に同じ場所へ足を運べば、また新たな光景を見られるかもしれません。さらに市内にはまだまだ岬があるよう。まだ見ぬ景色と出会いに、岬巡りを続けていきたいと思います。
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