▶写真手前から時計回りに、『二階建て生ほたて(308円)』、『風蓮湖にしん切り込みつつみ(308円)』、『たら頭の三平汁(308円)』、『紅鮭すじこ醤油漬け握り(418円)』。どれも北海道ならではの食材。にしんの切り込みは花まるで仕込むオリジナルメニューだそう。
Things to Do
根室でしかできないDEEPなこと
「ここだからこそ、味わえる。
根室ならではのグルメを堪能できる店」
#海鮮グルメ #ローカルフード #根室の魅力
食事は旅の醍醐味の一つ。その土地でとれる新鮮な食材の美味しさはもちろんのこと、地域の文化が詰まった郷土料理や、カウンターでの語らいなど、楽しみは語りつくせません。もちろん根室にも、魅力的な飲食店がたくさん。居酒屋が立ち並ぶ「広小路商店街」を始め、地物をふんだんに使った地元の人々にも愛される店が町中に存在します。今回はその中から4店をご紹介。気軽に入れる回転寿司からちょっとディープな居酒屋まで、根室ならではのグルメをとことん味わって。
※記事の内容は2023年時点の情報になります
Contentコンテンツ
漁師町ならではの回転寿司
根室花まる
道内各地、さらには東京にも店舗を構える回転寿司、根室花まる。その始まりは根室でした。代表の清水鉄志さんは根室出身で漁師の息子。自分が生まれ育ったまちに家族で楽しめる団らんの場を作りたいという思いで、1983年に花まるを開業しました。店舗名も公募で決定。最初の店舗が「花咲通」にあったことにちなんで名づけられたと言います。
注目したいのが、店内の黒板や卓上の紙に手書きで書かれたおすすめメニュー。このおすすめは日ごと・店ごとに違います。つまり根室店のおすすめは、その日根室店が食べてもらいたいと思っているもの。根室産の海産物を中心に、季節ごとの美味しさを届けているのです。そして寿司だけでなく、汁物にも力を入れているのが花まるの特徴。北海道の郷土料理である「三平汁」をはじめ、魚の出汁が存分に味わえる汁物のメニューが豊富にラインアップ。たっぷりサイズなのも嬉しいところです。
さらに店づくりにもこだわりが。様々な寿司が流れていくレーンで回転寿司ならではの楽しみも提供しつつ、そのレーンの内側では常にスタッフが握り、躍動感ある調理風景を見ることができます。スタッフの元気な掛け声ややり取りも花まるならではです。
漁師町らしい活気に溢れた店内で、気軽に握りたてのお寿司を味わえる花まる。その店づくりには、「楽しめる場所を作りたい」という創業当時の思いが表れています。
Information
インフォメーション
回転寿司 根室花まる 根室店
根室市花園町9-35
TEL.0153-24-1444
営業時間/11:00~21:00
定休日/不定休
地元の食とつながりを
大切にしながら 根室ベース
根室ベースは根室出身の阿部慎一郎さんが営むダイニングバー。客の8割が地元根室の人という、地域に愛された店です。この日もカウンターでは、阿部さんが調理をしながら常連客と軽快なやり取りを交わしていました。
高校生までを根室で過ごした慎一郎さん。実家は寿司屋を営んでおり、小さな頃から厨房に立つ父の姿を見て育ちました。いつかは2人並んで寿司を握りたい。そんな夢を胸に札幌の調理師学校へ進学し、卒業後も修行を重ね、23歳で根室へと戻りました。夢を叶えて父と一緒に働いた後、2020年1月に独立。根室ベースをオープンさせました。
根室ベースという名には、2つの意味が込められています。観光で来るお客さんにとって”根室”の美味しいものに出合える場所でありつつ、地元の人にとってはいつでも行ける”基地”でありたい。その思いから、地産地消を意識すると同時に、全国各地の旬な美味しいものを取り寄せて提供しているそう。「札幌の修行中にたくさんの食材に出合ったんです。全国に目を向ければ、おいしい魚はたくさんある。それを根室の人たちにも味わってほしくて」
▶『ミンク鯨 自家製さえずりポン酢(1,280円)』。さえずりとはクジラの舌のこと。脂の旨味がしっかりと感じられつつ、ポン酢でさっぱりといただけます。
▶『根室アヒージョ(1,480円)』。花咲しいたけ、ツブ、ホタテと根室の食材が存分に味わえるアヒージョ。大ぶりなサイズは産地ならでは。
慎一郎さんが根室ベースを営む上で大切にしているのは、めぐり逢い。仲間との情報交換で新たな食材を知ったり、信頼できる相手から仕入れたり。そんな人と人とのつながりの大切さを、改めて実感していると言います。「美味しいものをただ作るだけじゃなくて、人付き合いを一番大事にしたいんです」と、真剣な表情で話してくれました。
「今はまだ、やりたいこと全体のほんの1,2割」だという慎一郎さん。地元を大切にしながらも新たな美味しさを届けていく根室ベースには、根室へ行くたびに訪れたくなってしまう魅力があります。
Information
インフォメーション
根室ベース
根室市大正町1-11
TEL.0153-20-4144
営業時間/12:00〜13:00、18:00〜22:00
定休日/日曜、第3もしくは第4月曜
酒がつなぐ人の縁 酒庵rurero
広小路商店街の端にある、カウンターのみの小さな居酒屋。ここ酒庵rureroを1人で切り盛りするのは、青山知香さん。季節や訪れる客に合わせた、お任せのコースを提供しています。
札幌出身の知香さんが根室へとやってきたのは34歳の頃。「料理がすごく好きだったから、いつか生業としてやってみたくて」と、飲食店への憧れを持ち続けていたそう。その思いが叶ってrureroをオープンしたのは2016年のこと。始めはメニューも用意していましたが、常連客が増えるにつれ、いつ来ても違う料理を楽しんでもらいたいという考えから、お任せのコースを提供するようになりました。
▶花咲がにとチーズの茶碗蒸し。かにの甘みとチーズのコクがマッチした一品。
▶この日にあった酒を見せてくれました。「食べるものによってお酒の種類を変えてもらうのをおすすめしています。お酒に合わせて料理を考えているから」。
自身も酒が好きだという知香さん。店には日本酒やワインなど様々な酒を揃えています。特に日本酒には力を入れており、北海道を始め全国各地の酒を6,7種類用意。日本酒に対して苦手意識を持つ人にも、おいしく飲めるものを提案しています。rureroに来てから日本酒を飲めるようになった人も多いのだとか。「お酒を飲むことっていろんなものが広がると思うんですよね。食事もそうですけど、友達になったり、異業種の人と出会ったり。そんな人間模様が見えるのが楽しい」。
「疲れたときに『ちょっとあそこに行って飲みたいな』って思ってもらえる飲食店になりたいです」と話す知香さん。普段は地元の人が1人で来ることも多いと言います。ちょっと勇気を出してカウンターに並んでみれば、新しい根室の魅力に出合えるかもしれません。
Information
インフォメーション
酒庵rurero
根室市梅ケ枝町3-26
TEL.0153-27-1250
営業時間/18:00~22:00
定休日/不定休
Instagram/@rurero_no_rureco
※予約のみの営業です。予約時は電話、Facebook、Instagramにてご連絡ください。
※食事はお任せ料理のみとなります。
ポツリと佇むイタリアン
Boschetto
市街地から東へ車を走らせること10分。草地と海が広がる景色の中に、赤い屋根の建物が佇んでいます。ここはボスケット。林浩司さんと博子さんが営む、イタリアンレストランです。
根室出身の2人。飲食店で経験を積み、根室で店を開こうと場所を探していたところ、出会ったのがこの建物でした。決め手はずばり、「景色が良かった」から。「小さい頃は自然を見ても何とも思わなかったけど、この何もないのが良いなって。町からは遠いし、周りには反対されたけど」と笑う浩司さん。元々は細工場だった建物を改装し、2015年にボスケットをスタートさせました。その美味しさを求めて、地元根室の人はもちろんのこと、平日には中標津や根室からやってくるという人も多いと言います。
▶『ボスケットサラダ(ハーフ)(1,200円)』。葉野菜や根菜がたっぷりと盛られ、キッシュまで添えてあります。ハーフとは思えないほどのボリュームです。
▶店の外の景色。広大な草原を風が通り過ぎていく様子は、いつまでも眺めていたくなります。
メニューは、根室では出している店が少なかったピッツァとパスタをメインに、根室の食材を使いながら彩り豊かなイタリアン料理を提供。色とりどりの野菜が盛られた「ボスケットサラダ」や根室産の素材を使った「カニのトマトクリームソースのピッツァ」、「シカ肉のミートソースパスタ」など、運ばれてきた途端に思わず声が出てしまうほど、どれも鮮やかかつボリューミー。2~4人でシェアしながらいただくのがおすすめです。
「実際に使ったもの」だという小麦の袋やトマト缶が飾られた、遊び心溢れる店内も魅力的。窓の外に広がる根室の自然と共に、こだわりのイタリアンをゆったりと味わって。
Information
インフォメーション
Boschetto
根室市光洋町5-94
TEL.0153-27-1931
営業時間/11:00~15:00、17:30~22:00
定休日/水・木曜
根室ならではの食と出会いを
新鮮で種類豊富な海産物や地酒である「北の勝」など、食が豊かな根室。その土地で暮らす店主たちは、素材が持つ魅力を知り尽くし、その美味しさを最大限に引き出すことに力を注いでいました。産地だからこその料理を味わい、地元の人々と出会う。飲食店でのひとときには、根室の魅力がたっぷり詰まっています。
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