三上さんが教えてくれた根室の豊かさは、どれも一度訪れただけでは気づきにくい、暮らしの中のさりげない風景。漁師として、そして木工作家として。この土地に向き合い続けてきた三上さんだからこそ、気づかせてくれました。
Things to Do
根室でしかできないDEEPなこと
根室の日常にある豊かさに触れる。愛され続ける地元密着スポット。
#お土産 #ローカルフード
暮らしの中に息づく、その土地ならではの温かな魅力。根室にも、そんな日常の豊かさを感じられるスポットがたくさんあります。日々の何気ないおやつ、地元の人々が集う居酒屋、地域の恵みを活かした加工品。どれも根室の暮らしに寄り添い続けてきた、地元の人にとってなくてはならない存在です。根室で生まれ育ち、漁師として、そして木工作家として、この土地に向き合い続けてきた三上新一さんに、そんな地元密着の魅力が詰まったスポットを教えてもらいました。
※記事の内容は2025年時点の情報になります
Contentsコンテンツ
根室の暮らしの中にある、たくさんの豊かさ
昆布漁師の三上新一さん。根室市の歯舞で生まれ育ち、高校卒業と同時に漁師になりました。「この環境が肌に合うんです。朝起きたら海が見えるという暮らしが、自分にとってはあたりまえで。離れられないですね」と話します。
一方で、木工作家「mikashin」としても活動しています。趣味として始めた木工に深くのめり込み、独学で腕を磨き、ウッドターニングの技術を学びました。そんな中で、「ものづくりは自分を表現するもの」という意識が芽生えたそう。そんな樹種を選び、どんな形と手触りに仕上げるかを追求するうちに、「根室の木で、根室ならではの作品を作りたい」という思いに至りました。中でも三上さんが惹かれたのは、ほんのりピンクがかった柔らかい色合いの樹皮を持つ、ダケカンバ。シラカバより標高の高い場所に生育するダケカンバが、平地でも普通に見られるこの風景こそ、根室の厳しい気候を物語っています。三上さんは、そんな地域を象徴する素材を使い、ものづくりを続けています。
▶地元の業者から根室産の材を分けてもらい、制作しています。
▶三上さんの作品「WOOD BOTTLEダケカンバ」。
三上さんが暮らす歯舞は、太平洋に面した海沿いの地域。根室の中でも、気候が異なると言います。「歯舞はとにかく霧が濃いんです。6~8月は深い霧が立ち込めて、寒いくらい。高山植物が自生する歯舞湿原など、貴重な環境も広がっています」。また、海沿いのまちならではの食文化も教えてくれました。「サンマやサケなどの地元の魚を使って、各家庭で飯寿司を漬けるのが、冬の恒例行事。みんな大量に漬けるので、毎年少しずつおすそ分けをもらえるんです。家庭ごとに味が違って面白いですよ」。
そんな三上さんが好きな景色は、冬の納沙布岬。空気が澄むこの季節は、風景が最も美しく見えると言います。納沙布岬といえば朝日のイメージがありますが、三上さんのおすすめは夜。打ち寄せる波の音に包まれながら満点の星空を眺めるひとときが、格別なのだと言います。「今もう使われていない『オーロラタワー』という塔があるのですが、その下から見上げる星空が本当に綺麗なんです!」と、うれしそうに教えてくれました。
Spot 1. あま太郎
レトロな包み紙にくるまれた、手のひらサイズのころんとした大判焼き。根室では「あま太郎」の名前で親しまれています。
1958年にオープンしたあま太郎。店主の平川さんは3代目。1996年に父から店を継いで以来、この店を守ってきました。ぎっしりと具が詰まった「あま太郎」をはじめ、アツアツの肉まんやふわふわの卵カステラ。誰もが馴染みのあるおやつだからこそ、具材にはひと工夫。あま太郎の「ハムマヨ」、肉まんの「キムチ」や「激辛」など、思わず目を引くラインアップが揃います。「いろいろな味があったほうが楽しいでしょう?『ミニ肉まん』や『激辛』は、お客さんからのリクエストで生まれたんですよ」と教えてくれました。
▶ふんわりとボリュームのある卵カステラ。
▶子どもたちも気軽に買える価格です。
日々のおやつに、仕事場への差し入れにと、地元の人に長く愛され続けるあま太郎。「レシピも変えず、あんこやクリームも手づくりで、値段もなるべく上げずに続けてきました。『この値段でこのおいしさ』を、これからも大切にしていきたいですね」と、平川さんは話します。
▶テイクアウトがほとんど。店内にはイートインスペースもあります。
▶昔から変わらないレトロな包み紙も、あま太郎の魅力の一つ。
いつまでも変わらない味と気軽さ。その親しみやすさこそが、人々に愛され続ける理由なのかもしれません。
【三上さんのイチオシポイント】
「根室市民の手土産といえば、甘太郎。小さな頃からよく食べていました。昔からずっとある黒あん、白あん、クリームはやっぱり外せません。一番好きな味はチーズクリーム。こってり甘めのクリームが、たまらないんです」。
Information
インフォメーション
あま太郎
根室市緑町2丁目16
TEL. 0153-22-3565
営業時間/9:00~20:00
定休日/水、木曜
Spot 2. どす来い
広小路商店街の一画にあるバル風居酒屋、どす来い。にぎやかな店内を元気に切り盛りするのは、望月香央里さんです。
厚岸町出身で、根室で育った望月さん。高校卒業後は札幌へ就職しましたが、2013年に根室へUターン。両親が飲食店を営んでいたこともあり、2016年にどす来いをオープンさせました。大切にしているのは、訪れた人が楽しく過ごせる空間づくり。「接客に興味があったんです。せっかく根室を訪れてくれた人を、迎え入れられるような場所を作りたくて」。地元の人はもちろんのこと、転勤などをきっかけに根室で暮らし始めた人々も多く訪れると言います。
▶温もりを感じる店内。カウンターとテーブル席があります。
▶望月香央里さん。2016年からどす来いを営んでいます。
メニューは創作料理がメインで、バラエティ豊富。中でも望月さんが「自信作!」と話すのは、「どすこいザンギ」。鶏もも肉を丸ごと1枚揚げた、迫力満点のザンギです。胡椒を効かせたスパイシーな味わいと、あふれ出るジューシーな肉汁がたまりません。「両親も店でザンギを提供していて。大きなサイズで作ったらもっとおいしいだろうな、とずっとアイデアを温めていたんです。うちの立派な看板メニューになりました」。
▶3種類の中からスープを選べる「スープカレー」も人気。ランチでも提供しており、リピーターも多いのだとか。
▶手のひらよりも大きな「どすこいザンギ」。食べる時は、ハサミでカットして。
「根室は人があったかいんですよ」と、満面の笑顔で話してくれた望月さん。どす来いも、そんな「あったかさ」を感じられるスポットの一つです。
【三上さんのイチオシポイント】
「いつも賑わっている店。店主の望月さんがとても明るくて、元気をもらえます。自分が作った器も使ってもらっているんですよ」。
Information
インフォメーション
どす来い
根室市梅ヶ枝町3-23
TEL. 0153-27-1875
営業時間/11:00~14:00、17:00~22:00
定休日/日曜
Spot 3. 歯舞漁業協同組合直販所
旅のお土産には、やはりローカル商品を選びたいもの。歯舞漁協の直売所には、この地域ならではのオリジナル商品がズラリと並びます。
中でもイチオシ商品は、歯舞昆布を使った「はぼまい昆布しょうゆ」。1990年の誕生以来、長く愛され続けるベストセラー商品です。昆布の使用量を20%増やした「贅沢仕上げ」も、今では主力商品の一つ。さらに、これらを軸にさまざまなな商品展開が進められてきました。しょうゆで味付けをした海苔にせんべい、缶詰…。そのレパートリーの豊富さには驚かされます。商品開発には、職員のアイデアも積極的に取り入れているそうで。「地元の人もよくここへ買いに来てくれるんですよ。みんな、はぼまい昆布しょうゆで育ってますからね」。
▶「はぼまい昆布しょうゆ」を使った商品にはロゴが入っています。
▶だし昆布から冷凍食品まで、豊富なラインアップ。
こうした商品開発は、歯舞漁協独自の取り組みです。「気候や海水温によって、漁獲量は変化します。海産物が豊富に獲れる時もあれば、そうでない時もある。組合の経営を支えていくためには、新しい挑戦が必要でした。それで、商品を開発しようと」。2022年に施設を改装してからは、修学旅行生の受け入れを本格化するなど、地域振興にも取り組んでいます。
▶出荷前の昆布。歯舞で水揚げされるのは主に「なが昆布」、「厚葉昆布」、「猫足昆布」とよばれるものです。
▶直売所からは、昆布を袋詰めしている様子が見られます。
地元が誇る昆布のおいしさが詰まった、歯舞の名産品たち。お土産選びがより楽しくなる場所です。
【三上さんのイチオシポイント】
「根室にいくつかある漁協の中で、最も新しく出来上がった施設。自分も組合員のひとりです。海の状況が年々変わっている中でも、工夫しながら新商品を開発しています」。
Information
インフォメーション
歯舞漁業協同組合直販所
根室市歯舞4丁目132-2
TEL. 0153-28-2301
営業時間/9:00~12:00、13:00~16:00
定休日/土、日曜、祝日
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